2011年12月26日月曜日

我が家のマングローブ紹介

マングローブとは海岸や河口など塩水につかる場所で生育する植物の総称です。特に、ヒルギ科の樹木は胎生種子と呼ばれる独特の種(正確には種ではないが)をつけるのが特徴です。

我が家で現在栽培しているマングローブはいずれも沖縄の海岸で拾ったものです。


オヒルギBruguiera gymnorrhiza
ヒルギ科
奄美大島以南に分布。
泥中から膝根と呼ばれる膝の用に折れ曲がった呼吸根を突き出すのが特徴。
ヤエヤマヒルギ Rhizophora stylosa
ヒルギ科
沖縄島以南に分布。
幹から多数の支柱根を出し、たこ足状となる。


ヒルギダマシAvicennia marina
クマツヅラ科
宮古島以南に分布。
泥中から筍根と呼ばれるとがった呼吸根を突き出すのが特徴。
胎生種子は付けないが、樹上の果実の内部で種子が発芽する。これを半胎生種子と呼ぶ。

日本にはマングローブが5~9種あるとされ、もっとも広い9種で考えると以前から育てているサキシマスオウノキもマングローブに入るので、我が家のマングローブは4種類ということになります。ちなみにヒルギダマシの栽培例は調べた限りではあまりないようなのでどのように育つか興味深いです。


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オキナワウラジロガシの発芽

10月に沖縄で拾ってきたオキナワウラジロガシが発芽しました。
オキナワウラジロガシは奄美大島より南に自生し、日本最大のドングリをつける木です。
(詳しくは別ブログ「てっちゃんの自然観察記」で紹介しています)
別の植物が植わっているところで発芽してしまったので、根が伸びすぎる前に植え替えるつもりです。



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2011年12月9日金曜日

我が家のチランジア(エアープランツ)

我が家のチランジア(エアープランツ)の一覧です。
上段左から、イオナンタ(購入から2年)、不明(10年近くある)、ジュンセア(先月100均で購入)。
下段左から、ベイレイ(100均)、フックシー(2年)、ブッツィー(100均)、ブルボーサ(2年)。
あと写っていませんが、ウスネオイデス(スパニッシュモス)です。

本来ならヘゴや木に着生させた方が成長がいいそうですが、とりあえずはこの状態のままで育てています。



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グンバイヒルガオの取り込み

12月9日。

今日は東京都内でも初雪が観測されるなど非常に寒い一日でした。夜になりベランダに霜がおり始めたので、急いでグンバイヒルガオなどの植物を室内に取り込みました。
ここのところの低温で葉の色がかなり悪くなってしまいました・・・。

つぼみがまだ残っていますが、室内でも咲くのでしょうか。

また暖かくなったら一時的にベランダに出してみようと思っています。








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2011年11月25日金曜日

サツマイモの花と種子について

前回、自宅で実生サツマイモを収穫したことを書いたので、それに関連した記事を書こうと思います。

サツマイモはヒルガオ科の植物で、アサガオに似た美しい花を咲かせます。沖縄では秋から冬によく見られるそうです(沖縄土産で有名な「紅いもタルト」のパッケージにのっている花がそれです)。
しかし、本土ではめったに花が見られません。これは、サツマイモが「短日植物」であることによります。
サツマイモに限らず多くの植物では、夜(暗期)の継続時間によって花芽を形成する物質(ホルモン)が作られます。このうち、アサガオやコスモスなど夏から秋に開花する植物は、ある一定時間以上の暗期(限界暗期といいます)が続くとホルモンが作られ、花芽が形成されます。こうような性質を持つ植物を「短日植物」といいます。本来ならば「長夜植物」と呼ばれるべきですが、初めのうちは暗期でなく明期(昼)の長さが重要と考えられていたため、「短日植物」と呼ばれるようになったようです。サツマイモもこの仲間です。逆に、暗期がある一定時間以下になると花芽が形成されるものを「長日植物」と呼びます。

サツマイモの場合、アサガオに比べて短日条件が長く続かないと花芽が形成されない「鈍感な短日植物」であり、本土では開花条件に達する前に冬を迎えてしまうようです。(アサガオの生理学 アサガオへの接ぎ木によるサツマイモの花成http://www.sc.niigata-u.ac.jp/biologyindex/wada/p13/p13-2-1.html参考)また、種子を作るには別の品種の花粉で受精する必要がある「自家不和合性」という性質も持つため、複数品種が隣あって植わっている畑でない限り、花が咲いても種子が形成されることはまずありません。

石垣島でみたキダチアサガオ 2011年10月
 サツマイモの新しい品種を作るにあたっては、異なる品種どうしを交配させ、種子を形成させる必要があります。種イモからは、種イモと同じ品種のもの、つまりクローンしかできないためです。
花がめったに咲かない本土において、現在品種改良を行うために用いられているのが「キダチアサガオ高接ぎ法」というものです。(サツマイモ辞典 (財)いも類振興会 編・発行、全国農村教育協会 発売 より)
キダチアサガオはサツマイモと同じヒルガオ科サツマイモ属の植物のため、接ぎ木が可能です。そして、キダチアサガオはサツマイモよりも敏感な短日植物であるために、本土でも開花します。キダチアサガオで作られた花芽形成のホルモンが、サツマイモにも作用して花が形成され、それをもとに交配を行うという仕組みです。

「サツマイモ辞典」によれば、毎年計9万粒以上のサツマイモ種子が品種改良のため採種、そして選抜・育種が行われているそうです。僕は趣味で3粒を育てましたが、実際の品種改良は実用性のある品種を探すための非常に大変な作業だということがわかります。

長々と堅苦しい文を失礼しました。

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2011年11月23日水曜日

実生サツマイモの収穫。

今年2月に訪れた西表島の畑でサツマイモの種子を手に入れ、それをベランダで育てていました。
サツマイモは、通常種イモをもとに栽培するものですが、条件によっては花が咲き、種子をつけることがあり、それから育てることもできます。
(発芽の様子は別ブログで書いているのでよければ見てください。農工やさい塾ブログ


今日、そのサツマイモ3株を収穫しました。つまり、3個の種子から育った実生株ということです。

 栄養条件によるのかもしれませんが、種から育った1年目は、一株一つのイモが形成されるようです。収穫した3株のうち1つは白で、2つは普通の赤でした。中身は全て白でした。確か、全て同じ株から取れた種子のはずなのですが・・・。サツマイモは他品種の花粉がないと受精しないと聞いたことがあるので、白の株だけ白いイモをつける品種の花粉がついたのかもしれません。


次に、葉っぱの変異を見てみます。同じ赤いイモをつけた株でも葉の形状に大きな違いが見られました。

普段見られるサツマイモは、種イモから増やされたクローン、つまり品種が同じなら同じ遺伝形質を持っています。今回できたイモは2つの品種(不明)がかけ合わさってできたもので、遺伝形質は既存のものと全く異なる、つまりこの世に1つしかない品種と言えるでしょう。

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2011年10月30日日曜日

グンバイヒルガオ 開花!

10月24日。
とうとうグンバイヒルガオが開花しました。沖縄に行けばごく普通に見られる種ですが、自生地でない神奈川県で開花したというのは結構珍しいのかな、と思います。ここのところ寒さが増してきていたので、なんとか間に合ってよかったです。つぼみはまだまだありますが、これからどうなる事でしょう。
まだ残るつぼみたち













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2011年9月29日木曜日

デュバリア・カエスピトーサの開花

デュバリア・カエスピトーサ(Duvalia caespitosa)が開花しました!
直径は約2センチと小さく、色は暗赤色でそれほど目立つ花ではありませんが、よく見ればなかなか面白い形です。日本に自生する同じガガイモ科のコバノカモメヅルに少し似ていると思います。

ところで今回開花したものは、買ったところで見せていただいた写真や、インターネット上に出ている画像のデュバリアの花よりも花弁が太く、また中心の丸い部分と花弁との大きさの比率が違うようです。
同種内の変異なのかな、とは思いますが分かりません。







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2011年9月25日日曜日

デュバリア・カエスピトーサのつぼみ

初の多肉植物紹介となります。

デュバリア・カエスピトーサ(Duvalia caespitosa)は、ガガイモ科の多肉植物です。昨年、五反田で開催されていた多肉植物フェアで購入しました。
ガガイモ科の多肉植物は変わった形の花を付けるものが多いですが、販売していた方に開花写真を見せていただいたところ、このデュバリアもなかなか個性的な花をつけるようです。まもなくその花を紹介することができるでしょう。

9月18日














9月25日












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ベランダの塩害とグンバイヒルガオのつぼみ


先日の台風15号の影響で、ベランダの植物たちはひどい塩害を受けてしまいました。グリーンカーテンのアサガオやマルバルコウは、少し前までいたエビガラスズメの幼虫に丸坊主にされた上に、塩害まで受けてしまったので、ほぼ再起不能です。ちなみにエビガラスズメは少し前から姿がありません。恐らく土中で蛹になったのだと思います。

瀕死のアサガオですが、たくさんの種はつけてくれました。来年も育てられそうです。

ひとつだけ希望の持てることがありました。グンバイヒルガオがつぼみをつけてくれたことです。(2月に鳩間島で採取したものです)
分布域が四国より南までのグンバイヒルガオを、神奈川県でうまく育てられるか不安でしたが、この調子でいけば霜が降りる前に花を見ることができるかもしれません。

(追記 グンバイヒルガオの分布は以前九州以南と書いていましたが、実際は四国までのようです。失礼しました。種はもっと北まで漂着するので、温暖化が進めば分布域が北上する可能性は大いにあるでしょう)





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2011年9月8日木曜日

アサガオにイモムシが・・・

順調に成長を続け、ベランダにグリーンカーテンを作りだしているアサガオ。先日葉っぱに明らかな虫食いが・・。

発見したのがエビガラスズメの幼虫です。5匹くらい確認しました。
昆虫と植物が同じくらい好きな僕は、アブラムシなどを除けば、栽培している植物に虫がくっついていても容認するようにしています。ただ花が咲いているよりも他の生き物がいた方が面白いと思っていますので。

しかし・・。このエビガラスズメは成長すると8センチにも達する巨大イモムシで、アサガオと同じヒルガオ科のサツマイモなどの害虫とされています。現在はまだ3~4センチしかないのに、虫食いの多さはかなりのもの。最終的にアサガオが丸坊主になってしまうのではと心配です。

まあとりあえずは様子見しようと思っています。

葉っぱをモリモリ食ってる。






















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2011年8月30日火曜日

サキシマスオウノキの発芽

サキシマスオウノキはアオギリ科の常緑高木。日本では奄美諸島以南に自生し、マングローブ林の後ろの後背湿地に生え、準マングローブとも呼ばれます。まずは2月の西表島でのサキシマスオウノキを紹介します。
西表島で2番目に大きな仲間川。この川の中流に、日本最大といわれるサキシマスオウノキが生えています。
仲間川をさかのぼるには遊覧船、またはカヌーを使います。今回僕は地元のツアー店「南風見ぱぴよん」でカヌーツアーを申し込みました。





木の説明板

日本最大のサキシマスオウノキ

これがサキシマスオウノキです。この木の特徴は、何と言っても波打った板状の根、板根です。この木では板根が高さ約3メートルにも達しています。沖縄ではサキシマスオウノキのほかにも、オキナワウラジロガシやギランイヌビワなど板根を作る木はありますが、ここまで大規模にはなりません。板根は木を安定させるためのもの、などの説があるようです。

サキシマスオウノキでもう一つ特徴的なのが、果実です。ウルトラマンのもとになったとも言われる独特の形をしています。(これについてはウルトラマンの作者は否定しているらしいが)
大きな種子がこの中に1つ入っていおり、周りはスポンジ状の分厚いカラとなっています。スポンジ状の組織には空気が含まれ、それにより水に浮かぶことのできるサキシマスオウノキの果実は、川、もしくは海流に流され分布域を拡大していきます。実際僕も海岸でこの果実をいくつか拾うことができました。

発芽後約1カ月たったサキシマスオウノキ
カラを割って取り出したサキシマスオウノキの種子。約1カ月かけてようやく発芽しました。 これからどのように成長していくのでしょうか。













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我が家のアサガオ

今年栽培しているアサガオは3種。青常葉青丸咲(東京古型標準)、黄渦蜻蛉縮れ葉桃筒白縮咲(縮有明)、それにスカーレットオハラです。






前2つは昨年、千葉県佐倉市の国立歴史民俗博物館のアサガオ展で、本を買ったときにいただいたものです。やたら長く難しい名前が付いていますが、これはアサガオの品種を葉と花の特徴で分類していることによります。
例えば、青常葉青丸咲の場合、青常葉=原種に近い形の緑色の葉っぱ、青丸咲=青色(青紫)のいわゆるアサガオの形の花という意味。東京古型標準型とは、かつて中国から渡来した時の原種に最も近いとされる品種です。黄渦蜻蛉縮れ葉桃筒白縮咲は説明が難しいので省略します(^^ゞ。
気になった方は、「アサガオ類画像データベース」というホームページを見ていただくといいと思います。


スカーレットオハラはホームセンターで買ったものです。よくセイヨウアサガオの品種と言われていますが、実際には日本のアサガオをヨーロッパで品種改良したものです。いわゆるセイヨウアサガオはソライロアサガオのことで、全くの別種なのです。



ところで東京古型標準を播いたところ、3個中2個が古型標準と異なる形質の花が咲いてしまいました・・・別品種と交雑して出来てしまったのかもしれません。これはこれできれいなのですが、純系に交雑が生じているとはちょっと残念です。
やたら色が薄く、花筒が白い。
花弁の周囲が白く縁取られている。
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2011年8月20日土曜日

マルバルコウ開花

マルバルコウが開花しました。マルバルコウ(Ipomoea coccinea)は、熱帯アメリカ原産のヒルガオ科の一年生草本です。
江戸時代に花を観賞するために日本に持ち込まれたようですが、今では帰化植物となり、近年では畑の作物に絡みつき、問題になっているそうです。我が家で栽培しているのも近所の川沿いに生育していたものから種を採取したものです。
マルバルコウとは、葉の丸いルコウソウという意味で、鳥の羽根のような葉をつけるルコウソウ(Ipomoea quamoclit) とは同じIpomoea属、つまりサツマイモ属の近縁種です。両者の間にはモミジルコウという交配品種が存在します。

マルバルコウの花
左からルコウ、ハゴロモルコウ、マルバルコウの双葉


ルコウソウ(2009年栽培)



ハゴロモルコウ(2009年栽培)