2011年8月30日火曜日

サキシマスオウノキの発芽

サキシマスオウノキはアオギリ科の常緑高木。日本では奄美諸島以南に自生し、マングローブ林の後ろの後背湿地に生え、準マングローブとも呼ばれます。まずは2月の西表島でのサキシマスオウノキを紹介します。
西表島で2番目に大きな仲間川。この川の中流に、日本最大といわれるサキシマスオウノキが生えています。
仲間川をさかのぼるには遊覧船、またはカヌーを使います。今回僕は地元のツアー店「南風見ぱぴよん」でカヌーツアーを申し込みました。





木の説明板

日本最大のサキシマスオウノキ

これがサキシマスオウノキです。この木の特徴は、何と言っても波打った板状の根、板根です。この木では板根が高さ約3メートルにも達しています。沖縄ではサキシマスオウノキのほかにも、オキナワウラジロガシやギランイヌビワなど板根を作る木はありますが、ここまで大規模にはなりません。板根は木を安定させるためのもの、などの説があるようです。

サキシマスオウノキでもう一つ特徴的なのが、果実です。ウルトラマンのもとになったとも言われる独特の形をしています。(これについてはウルトラマンの作者は否定しているらしいが)
大きな種子がこの中に1つ入っていおり、周りはスポンジ状の分厚いカラとなっています。スポンジ状の組織には空気が含まれ、それにより水に浮かぶことのできるサキシマスオウノキの果実は、川、もしくは海流に流され分布域を拡大していきます。実際僕も海岸でこの果実をいくつか拾うことができました。

発芽後約1カ月たったサキシマスオウノキ
カラを割って取り出したサキシマスオウノキの種子。約1カ月かけてようやく発芽しました。 これからどのように成長していくのでしょうか。













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我が家のアサガオ

今年栽培しているアサガオは3種。青常葉青丸咲(東京古型標準)、黄渦蜻蛉縮れ葉桃筒白縮咲(縮有明)、それにスカーレットオハラです。






前2つは昨年、千葉県佐倉市の国立歴史民俗博物館のアサガオ展で、本を買ったときにいただいたものです。やたら長く難しい名前が付いていますが、これはアサガオの品種を葉と花の特徴で分類していることによります。
例えば、青常葉青丸咲の場合、青常葉=原種に近い形の緑色の葉っぱ、青丸咲=青色(青紫)のいわゆるアサガオの形の花という意味。東京古型標準型とは、かつて中国から渡来した時の原種に最も近いとされる品種です。黄渦蜻蛉縮れ葉桃筒白縮咲は説明が難しいので省略します(^^ゞ。
気になった方は、「アサガオ類画像データベース」というホームページを見ていただくといいと思います。


スカーレットオハラはホームセンターで買ったものです。よくセイヨウアサガオの品種と言われていますが、実際には日本のアサガオをヨーロッパで品種改良したものです。いわゆるセイヨウアサガオはソライロアサガオのことで、全くの別種なのです。



ところで東京古型標準を播いたところ、3個中2個が古型標準と異なる形質の花が咲いてしまいました・・・別品種と交雑して出来てしまったのかもしれません。これはこれできれいなのですが、純系に交雑が生じているとはちょっと残念です。
やたら色が薄く、花筒が白い。
花弁の周囲が白く縁取られている。
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2011年8月20日土曜日

マルバルコウ開花

マルバルコウが開花しました。マルバルコウ(Ipomoea coccinea)は、熱帯アメリカ原産のヒルガオ科の一年生草本です。
江戸時代に花を観賞するために日本に持ち込まれたようですが、今では帰化植物となり、近年では畑の作物に絡みつき、問題になっているそうです。我が家で栽培しているのも近所の川沿いに生育していたものから種を採取したものです。
マルバルコウとは、葉の丸いルコウソウという意味で、鳥の羽根のような葉をつけるルコウソウ(Ipomoea quamoclit) とは同じIpomoea属、つまりサツマイモ属の近縁種です。両者の間にはモミジルコウという交配品種が存在します。

マルバルコウの花
左からルコウ、ハゴロモルコウ、マルバルコウの双葉


ルコウソウ(2009年栽培)



ハゴロモルコウ(2009年栽培)

2011年8月7日日曜日

グンバイヒルガオ栽培

鳩間島で採種したグンバイヒルガオの栽培。
まず種子はこのような感じです。

形は同じヒルガオ科のアサガオに似ていますが、表面に毛が密生していて特徴的。
種皮と内部の子葉との間には大きな隙間があり、表面の毛と内部空間に空気がたまり、それにより海に浮かんで遠くへと運ばれて分布を拡大すると考えられています。








6月12日
2週間ほど前に播いた種子が発芽、双葉が完全に開きました。
海岸に生える植物らしく、多肉質な双葉です。
形はアサガオの双葉に似ていますね。









8月6日
どんどん成長して、つるの長さは50センチに。
グンバイヒルガオの現在の分布は四国以南のようですが、ここ神奈川でもよく育つようです。
問題は冬の寒さということでしょうか。

鳩間島、グンバイヒルガオとスナヅル

今年の2月に西表、石垣旅行と称し、1週間にわたり八重山諸島をひとり旅してきました。
その中で訪れた島のひとつが鳩間島です。



鳩間島は西表島から船で約15分、島中央にある白い灯台がシンボルです。周囲4キロで、歩いて1時間で一周できてしまうという小さな島ですが、とても魅力ある島で、次回は宿泊してもっとゆっくり楽しみたいなと思いました。昼食を食べた「くしけぇー家」のご主人によれば、夜にはヤシガニがたくさん出てくるそうです(^v^)




ところで鳩間島の海岸で見つけたのがグンバイヒルガオ(ヒルガオ科)です。沖縄を始め、熱帯の海岸では広く見られる植物です。昼間ということもあり、花が少し萎れ気味でした。本当はもっとアサガオのようにラッパ型に咲いていたはずです。たくさん種子を手に入れたので、家で栽培してみようと思います。

グンバイヒルガオを覆うように生育していたのがスナヅル(クスノキ科)です。


なんだかモサモサ。

このスナヅルは、他の植物から養分を奪って育つ寄生植物です。ここではグンバイヒルガオに寄生しているようでした。クスノキ科といえば、樹木のイメージ。とても同じ仲間には見えませんが、ちぎってみるとスナヅルからもクスノキ科特有のさわやかな香りがしました。一応納得。
このスナヅルも沖縄では普通種だそうです。

実をつけたスナヅル。