ボスウェリア属とコミフォラ属は、それぞれ乳香(フランキンセンス)と没香(ミルラ)の原料になる種を含むグループです(写真はBoswellia neglecta)。
7月13日に7粒を播種。購入元は多肉植物ワールドさん。種子(果実?)には大きな突起があります。
アフリカ東部のソマリア~ケニアに分布(Schmiech et al. 2021など参照)。自生地に近い都市(ソマリアのやエチオピアのマンデラ)は砂漠気候BWで、年間を通して最低気温20~25℃(10℃は下回らない)、最高気温30~35℃(時に40℃以上に達する)、降水量は年200~300 mmで、3~5月ごろと10~12月ごろに集中するようです。
私の住む瀬戸内沿岸では、上述の気温に近いのは6月~9月ごろの4か月程度しかないので、盛夏に一度水やりをやめるのは得策とは思えません。高温期はよく水やりし、秋以降は断水ぎみで管理するのが良いのではないかと考えられます。
1粒発芽しました。
本葉が出てきました。
双葉は手の指のように深い切れ込みがあります。
奥ではもう1つ発芽しています。
早くも4枚目の本葉が出てきました。1~2日に1枚のペースで出ていることになります。
自生地では1回の雨季が2ヵ月程度なので、初期成長が早いのかもしれません。
かなり大きくなりました。先に発芽した個体の新しい本葉は、小葉が6対あります。
最初は三出複葉で、本葉が出るたびに小葉が1対ずつ増えていく感じです。
ぐんぐん成長し、高さは大きな個体が高さ7.5 cmで根元直径7 mm、小さな個体が高さ4 cmで根元直径6 mmになりました。美しい羽状複葉を広げ、一番新しい葉では小葉が9対です。
新芽はまだまだ伸びそうな雰囲気です。
6月7日に11粒を播種。購入元はシードストックさん。
ボスウェリア・ネグレクタよりも一回り小さな種子です。
アラビア半島半島部のオマーン~イエメンに分布。残念ながら、9月4日時点では発芽していません。煙成分が発芽に有効との情報を見たので(参考:Cats and Lantern「ボスウェリア サクラ 実生② 発芽!」)、草木を燃やした灰をかけましたが、反応なし。ボスウェリアの種子は発芽させるのが難しいとのことなので、やり方が良くなかった可能性もあります。
6月7日に6粒を播種。購入元はシードストックさん。
インド西部からパキスタンに分布し、樹脂は「グッグル」の名で薬用などに用いられます。IUCNレッドリストでCR(絶滅危惧I類)に位置付けられる希少種(参考:The IUCN Red List of Threatened Species: Commiphora wightii)。
自生地周辺の気候(ラージャスターン州のジャイプルを参考)は、冬季(12~2月)は最低10℃前後、最高30℃前後でまれに氷点下、雨季前の4月~6月は最高40℃以上の酷暑、雨季の7月~9月はやや気温が低下するようです(といっても最高35℃以上)。降水量は年600 mm程度で、雨季の6月~9月に集中します(参考:Wikipedia ジャイプル)。
私の居住地においては、コミフォラ・ネグレクタと同様に高温期はよく水やりし、秋以降は断水ぎみで管理するのが良さそうです。
前日の晩から種子を水に浸けたところ、早くも発芽の兆しが見えています。
双葉が出てきました。
今のところ4粒が発芽。一つの種子は多胚性だったようで、1か所から3つの芽が出ています。
最初に発芽した個体は本葉が出ています。葉をちぎると、針葉樹を思わせるさわやかな香りがしました。
もう1本発芽しました。
しばらく順調に育っていましたが、一旦成長が止まり、古い葉が落葉しています。
猛暑で弱っているのか、元々の性質なのか、どちらなのでしょうか。
暑さが少し収まったためか、再び新しい葉を展開し始めました。
9月4日時点で、一番大きな個体は高さ6 cm、根元直径4 mmです。
参考文献:
Schmiech et al. 2021. 11-Keto-α-Boswellic Acid, a Novel Triterpenoid from Boswellia spp. with Chemotaxonomic Potential and Antitumor Activity against Triple-Negative Breast Cancer Cells. Molecules 26(2):366.
online. The IUCN Red List of Threatened Species: Commiphora wightii. https://www.iucnredlist.org/species/31231/50131117.